第四十一章 アズート-10
「あああああ・・ああああああああ・・・」
官能ではない。
破壊されていく。
闇が覆う。
「おおおおおおお・・・おおおおおおお」
雄たけびが、遠くに聞こえる。
「ああはぁっ・・・あはああああぁっー」
自分の叫ぶ声も遠かった。
マチルダの瞳は大きく開いたまま。
闇に染まっていく。
「あああああああ・・・ああああああー」
見る見る内に灰色に変わっていった。
悪魔の色。
マチルダが負う宿命(さだめ)が始まる。
アズートの怨念が今、解き放たれたのだった。