第四十章 正体-3
「・・・・・」
一瞬、理解出来なかった。
突き上がる官能に思考が消されていた。
「俺の顔をよく見ろ・・・」
同じ事を言われた気がする。
(あああ・・・そ、そう・・・)
司教様に抱かれているのだ。
不条理な官能に溺れている。
「司教様ぁ・・・・」
切ない声で呼んだ。
「俺だ・・マチルダ・・・」
次第に男の顔がハッキリしてきた。
「ああ・・あああ・・・・」
戸惑いの表情が浮かんでいく。
何かが違う。
司教様ではない。