第三十七章 僧侶と司教4-2
時には優しく。
時には激しく。
官能に意識が飛びそうになると愛撫を緩め、焦らし呼び戻すのだ。
そして自覚させる。
思い出させるのだ。
自分が王妃である事を。
今、何をされているのかを。
「マチルダよ・・・・」
アズートは不敵な笑みを浮かべる。
「我が王妃よ・・・」
「司教・・・さま・・・」
何度も絶頂が近づく度に自覚させる。
二人が誰であるかを。
官能に麻痺した頭に植付けていく。
「よく見るがいい・・・」
やがてマチルダのしなやかな指を、自身の熱くたぎるコックに絡ませる。
「あっ・・・な、何を・・・?」
不意の感触にマチルダが見やり、それに気づくと直ぐに顔を男の胸に押し付けた。
耳元まで赤く染めている。
熱い。
悪夢で見たおぞましいモノだった。
「い、いやぁ・・・」
嫌悪感が湧き上がる。
王のものでさえ見た事は無かったのに。
それが今、自分の手の中にあるのだ。
「ふふふ、どうしたマチルダよ・・・。お前が望んだ事ではないか」
司教の意外な言葉に、王妃は顔を上げると泣きそうな声を出した。