第三十六章 僧侶と司教3-2
「舐めて欲しいか・・・・」
「い、いややぁ・・・」
心を揺さぶられる。
巧妙に王妃の変化を捕らえていく。
「いやっ・・・いやぁ・・・・」
懸命に否定する言葉とは裏腹に、両腕は更に強く男を引き寄せている。
「ふっ・・・・」
目の前の隆起した塊と切ない悲鳴に苦笑しながらも、司教は王妃に抱かれるように頬張り味わうのだった。
「あああ、はぁ・・・ああんんっ、んんっ」
再び返ってきた唇の感触に、満足そうな吐息を吐いていく。
(い・・・いぃ・・・)
こんなに感じるなんて。
「ど、どう・・・して・・・・?」
マチルダは煩悶していた。
男の愛撫に身をゆだねながら。
神聖な祭壇の上で神に仕える司教様に抱かれている。
『お前は淫乱な女だ・・・』
男の声が消えなかった。
懺悔をしにきた筈なのに。
毎夜見る悪夢と。
毎朝の罪の行いを。
そう、全てを尊敬する司教様に打ち明け、清めてもらう筈ではなかったのか。
それが何時の間にかこうなっていた。
あろう事か王妃である自分が司教様に抱かれ、愛撫されているのである。