第三十五章 僧侶と司教2-2
司教は意地の悪い笑みを浮かべると花園から指を離した。
愛液が糸を引き光っている。
「あああっ・・いやっ、いやぁっ・・・」
か細い悲鳴を上げるマチルダだった。
もっと欲しかった。
長い間、熱く火照っていた一番敏感な場所だった。
だが男の指は空しく身体を離れていってしまい、それを求めるように回した腕に力を込めた。
せっかくの甘美な夢が壊れていく気がしたから。
薄っすらと白い闇が晴れていく。
徐々に感覚が戻ってくる。
「マチルダ・・・」
男の強い声で目を覚ました。
そして両目を大きく見開き、引き寄せていた男の顔に初めて気づいたのだった。
「司教・・様・・・」
マチルダの声は驚きに震えていた。
自分を抱きしめている男が誰だか分かったのだ。
何とマチルダが最も尊敬し、信頼を寄せているアズート司教ではないか。
そして自分が少女ではなく王妃である事も。
マチルダは自分のドレスがはだけ、あらわになったバストや花園に気づいて顔を真っ赤にした。
身体中の血が昇っていく。