第三十一章 動く指-5
『お前は淫乱な女だ・・・』
「あああ、そうっ・・・そうなのぉ。
淫乱なの、私ぃ・・・いやっいやぁ」
自分の言葉がいやらしかった。
辱められた心が更に快感を呼ぶ。
「いいっいいっ・・いくっいくのっ・・
あっあっあっ・・・いくっー」
マチルダは絶頂に向かって上っていく。
邪悪な欲望に染まった本能に任せて。
夢ではなく現実だと知りながら。
自らの意思で自身を犯していくのだった。
男の顔を浮かべながら。
おぞましい悪魔と交わっていくのだ。
マチルダの心は、捕らえられてしまっていた。