第三十章 匂い-4 『お前は淫乱な女だ・・・』 男の言葉を憎んでいたではないか。 決して認めてはいけない筈である。 それなのに。 男は後ろから抱きながら、自分の身体にそっと指を滑らしていくのだった。 思い出すだけで身体中に悪寒が走る。 それなのに。 マチルダは目覚めた自分の身体を見た。 夢ではない現実の身体を。 身体中が汗でグッショリ濡れていた。 そして一番熱い部分も。