第二十八章 絡めとられる心-4
「ああああ、いいっ・・いいのぉ・・・
そう・・そうなの、あああ、あはぁっ。
淫乱なのぉ・・・私、淫乱なのぉ」
一度吹っ切れた呪縛は甘美な開放感を与え、マチルダを獣に変える。
美しい顔を官能に歪ませ、蛇達を飲みこんでいく。
これが気品に満ちた王妃の姿であろうか。
国中の者から慕われ、王でさえも憧れの眼差しで見つめたマチルダなのか。
清楚で貞淑だった王妃が淫乱に腰をくねらせながら、大蛇の生臭い舌に唇を預けているのだ。
『お前は淫乱な女だ・・・』
蛇は何度も暗示をかける。
「あああ、そう・・・そうです」
無数の蛇に犯されながらマチルダは狂う。
『お前は淫乱な女だ・・・』
その言葉を心から素直に受け入れる。
マチルダの心が支配されていくのだった。