第二十八章 絡めとられる心-2
マチルダは、もはや獣であった。
膝を折り、何かを招き入れるが如く足を開いている。
蛇が耳元で囁く。
「こんなに濡らしおって・・・。
マチルダ・・お前は淫乱な女だ」
その言葉を待っていたかの如く、マチルダは強く反応してしまう。
「ああっー・・いやっ、いやぁー」
まだ、微かに残る理性が叫ぶ。
しかし空しい抵抗である事は、本人が一番良く知っていた。
蛇は何時ものようにニヤリと笑うと、意地悪く囁くのだった。
「ならば、去ろう・・・」
蛇達がマチルダの身体から逃げていく。
そうなのだ。
毎夜、繰返される度にマチルダの理性は、敗北を認めるのだった。
支配された本能が求めてしまう。
夢の中のマチルダは涙を流して懇願するしかなかった。
「い、いやぁ・・・お願いぃ」
そして、耳元を去ろうとする大きな蛇に腕を伸ばし引き寄せる。
「お願い・・・欲しい・・・欲しいのぉ」