第二十七章 水晶の魔力-3
「くっくっく・・・」
押し殺した笑いが闇に響く。
「どうだ、この反応は・・・・」
「んふっ・・・んっんっんっ・・・」
「ワシの指に感じておるわ・・・。
そうだろ、マチルダ・・・・?」
アズートの顔が裂けていく。
「は・・・い・・・・ああ、あああ」
「毎晩、お前の心に入り込んでいる。
気持ちいいだろう、マチルダ・・・?」
「あああ、は・・・い・・・・」
長い舌が、水晶に伸びる。
「あふぅっ・・・・」
電流が身体に走った。
「あはぁっ・・・・はぁっ・・はぁっ」
吐息は、やがてリズムを帯びていく。
「いいんだろう、マチルダ・・・?」
濁った声がマチルダを誘導する。
赤黒い舌が水晶に絡みついていく。
「あっ・・・あああ・・・い・・・い」
ネットリとした快感がマチルダを包む。
「欲しいんだろう・・・・・?」
「んっ・・はぁっ・・・あああ・・・」
無数の刺激がマチルダを襲う。
絡みついてくる。
「言うんだ、マチルダ・・・」
夢の中で命令される。
何か不条理な感情が芽生える。
王妃になってから、王にでさえも命令された事はない。
それなのに。
何故か、嬉しい。
「あああ・・ほ、欲しい・・・」
理不尽な命令に従う自分が夢の中であるが故に、別人になったようで心が騒いだ。
いつも気品を備えた王妃である事に全力を尽くしていたマチルダであった。
それが本能のままケダモノになっていく。
拒む事もせずに。