第十七章 祈り-6
水晶の輝きが強くなっていく。
(ル・・ナ・・・ル・・ナ・・・)
微かに声がした。
(ル・・ナ・・・ルナ・・・)
水晶の中からだった。
(ルナよ・・・・)
今度はハッキリと聞こえた。
心の中に直接、語りかけてくる。
「ルナよ、聞くがよい・・・」
金色の光がルナを包む。
目の前が何も見えなくなっていく。
「目覚めよ、ルナ・・・」
ルナの瞳は開いたまま光を受止めている。
眩しい。
感覚が麻痺していく。
「ルナよ、見るがいい・・・」
何かがルナに命じている。
ルナの意識が飛ぶ。
「ルナよ、知るがいい・・・」
感覚が消える。
「お前の母を、お前の運命を・・・」
自分の存在が消えていく。
「ルナよ、全てを受け入れるのだ・・・」
声も出ない。
只、飛んでいく。
全てが、光に飲まれていった。