窓辺の「彼氏」-2
「えへへ……僕ちゃん、ゴメンね。」
聖子は僕ちゃんを離した。「ちょっと、見せてね。」
笑顔で聖子の言葉を聞く僕ちゃんは、下半身がムキ出しになっていた。
(か、可愛い…… おチンチン、可愛い……っ!)
それはできたての菓子のようにみずみずしい部分だった。
(想像してたのと違う……肌がなめらかそうねぇ……)
僕ちゃんに何度も会ううちに、僕ちゃんと会った日はその裸を思いうかべてオナニーしてしまう聖子だった。
しかし、聖子が思いうかべる僕ちゃんのおチンチンは、ネットの成年画像に出てくる「剃毛された大人のもの」だった。
聖子は僕ちゃんの身体をくるりと回した。そこには冷し固めたババロアのようになめらかで、プルプル揺れるお尻があった。
聖子は思わずその谷間に顔を押しあてた。
(うわぁ…… オーブンから出したばかり焼菓子の香りがする……)
聖子がその香りをうっとり吸いこんでいると、
「うくぅ…… ふっ!」僕ちゃんが声をあげてお尻を振った。
「あ、ゴメンゴメン。うしろ向かせちゃって。お顔見せてね!」
聖子は再び僕ちゃんの身体をくるりと回した。
(え、ええーっ?)
聖子は僕ちゃんの身体の変化に目がテンになった。
(ぼ、僕ちゃんのおチンチン…… 硬くなってる。)
何がそうさせたのかはわからない。しかし、それは聖子の身体にも変化をまき起こしていた。
聖子は僕ちゃんの目の前で自分の下着を脱ぎ、玄関先に座りこんだ。
聖子は、玄関先から離れたくなかった。
それは、もし僕ちゃんの家族が入ってきたとき、チカラいっぱい突き飛ばして逃げるためだった。
「僕ちゃん、おいで。」
聖子は僕ちゃんを脚の間に引き寄せた。僕ちゃんは笑顔で、聖子の脚に挟まれた。
聖子は僕ちゃんのおチンチンを指でつまむと、自分の股間に導いた。彼女の股間は、熱い粘液にわずかに潤っている。
それは、僕ちゃんの硬くなったおチンチンを見て、聖子の身体に起きた変化だった。
僕ちゃんのおチンチンは、自ら探りあてたかのように聖子の股間に軽くすべりこむ。
聖子は変わらぬ僕ちゃんの幼い笑顔を見ながら、僕ちゃんのおチンチンが自分の股間の内側を吸いつける感覚に酔いしれていた。
(ゆ、指先くらいの大きさなのにこんなに気持ち良さをもたらしてくれるなんて…… おとこ、男なのね。)
「きゅ、きゅうーっ……」僕ちゃんはふしぎな声をあげた。その声をあげる唇の脇に、聖子は軽く口づけをした。
(まだ、唇どうしのキスすると虫歯菌を感染させてしまいそうだもんね。)
僕ちゃんは手をのばして、聖子の胸に触れた。
(もう、僕ちゃんすご過ぎるぞ。一発で乳首を当ててしまうなんて……)
○
その日以後、聖子はあの団地のそばを通らなくなった。
一度抱いたから、満足したからではない。
僕ちゃんの家族が、僕ちゃんの性的な変化に気づいて「監視」を強化した予感がするからだ。
そして、毎日高速で育っていく僕ちゃん。
もう一度同じことをすれば、僕ちゃんは聖子の行為の醜さを感じとるほどに成長しているはずだったから。
【おしまい】