第十五章 真相-1
第十五章 真相
ルナが振り返ると、老人は笑みを浮かべたまま立っていた。
すっかり白くなった顔中の髭は、五年前ルナを襲った時の荒々しい盗賊の面影はない。
「あの日」夜が明けて樹海の中で目を覚ましたルナとディオンは、草むらに一人の老人を見つけた。
それは精気を使い果たしたドザリの変わり果てた姿なのであった。
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「こ、こんな・・・?」
ルナは、その無残な姿に絶句した。
(やっぱり、私は呪われて・・・・)
ハッとしてディオンの顔を見たが、無事な様子にホッと胸を撫で下ろすのだった。
「やはり、そうか・・・」
ディオンは優しくルナの肩を抱きながら言った。
「ディオン・・・私・・・」
ルナは愛する男の胸にぶつけるように顔を埋めた。
襲われたとはいえ、自分と交わった男の変わり果てた姿に肩を震わせて泣いている。