第十五章 真相-4
ルナの前には以前程ではないが、生気を取り戻したディオンが立っていた。
ルナはその胸に飛び込むと、心から喜びの声を上げるのだった。
「良かった・・これで、これでもう・・・」
ディオンの心にルナの気持ちが伝わる。
暖かい安堵感が広がっていく。
「だけど・・・」
「えっ・・・・?」
ルナは不安気に顔を上げた。
抱きしめる腕の中で聞いた恋人の言葉が、心なしか曇って聞こえたからだ。
「何でもないよ・・・・」
ディオンは微笑むと、ルナの額にそっと口付けをした。
「とにかく城に戻ろう・・・」
そして横たわるドザリを肩にかつぎ、歩き出した。
ルナはその頼もしい後ろ姿を見て、安堵のため息をつくのだった。
(これでもう、呪いは・・・)