第十五章 真相-2
「仕方ないんだ、ルナ・・・・」
ディオンはルナの心に直接語りかけるように、愛情を込めて説明するのだった。
「アズートの呪いは本当だった・・・。
ルナ、君は男の精気無しでは生きられない
身体になってしまったんだ。
それは、アズートがルナや君の母上の身体を
通して生気を摂取するためだと思う。
その力は想像を絶する程、
強大なものだ・・・・。
この盗賊と僕が、その証拠さ。
彼の髪も髭も真っ白になって、まるで老人だ。
そして僕も・・・ね」
「そんな、そんな・・・」
ディオンの腕の中でルナは涙声を出している。
その細い肩をディオンはギュッと強く抱き寄せた。
「で、でも・・・
それなら今のディオンは?」
ルナの問いに男は頷いた。
「そうなんだ・・・・」
ディオンはそっとルナの身体を放すと、老人の元に近づき胸に耳をあてた。
「大丈夫、眠っているだけみたいだ」
心配そうに見ているルナに笑みを投げた。
「あの時まで僕は死の一歩手前だった。
ルナも随分と衰弱していた筈だ。
だが、この男のおかげで・・・」
そこまでの説明でルナは全てを理解したのか、両手で顔を覆い泣き崩れてしまった。