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HAPPY LIFE
【学園物 恋愛小説】

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HAPPY LIFEA-1

「はぁ、わかんないよ…」
橘 明日香、悪戦苦闘中です。ただでさえ苦手な勉強なのに、こんなのわかるわけないよ。
「明日香、わかった?」
困った顔をしてこっちを向いているのは、友達の夕里。同じく悪戦苦闘中のようです。
「早絵…わかる?」
もしかして…と思ってちょっと期待しながら聞いてみると、親指を立ててこっちに向けて来る。早絵サマサマだよ〜。教えて!
「分かるわけないじゃん?」
…。そうだよね。
周りを見渡してみても、みんな同じような表情。みんなまだこの問題解けてないんだ…ちょっと安心。
チラッと私の左に座っている男子に目を向けてみると、余裕そうな態度。
もしかして問題解けたのかな?教えてもらえるかも。
そういえば高校入ってもう1週間も経つのに、男子に話しかけたことなかったな。

「あの…。わかりました?この問題」
っていうかなんで敬語?タメなのに。
「うん。もしかして、まだわかんないの?」
コクリと頷く。教えて下さい。
「んーとね、これはここじゃなくてこっちに書いて、そんでここにはこれをかけばいいんだよ。そうすれば、自動的にこうなるから…」
ふむふむ…。
「わかった!!」
スゴーイ。なにこの人?尊敬しちゃう。
「ありがと」
お礼を言って夕里に報告。さっそく教えてあげなきゃ。



「へぇ…いい人だね、渡辺くん。頭もいいんだ?」
あの人渡辺くんっていうんだ。知らなかった。
休み時間に入って、夕里とおしゃべり中。
「明日香。わかってると思うけど、あの人野球部だからね」
あっ…そうだっけ?
そう言われれば、この間野球部の見学行った時いたような、いないような。


「夕里、明日香。あのさ…」
早絵がオレンジジュースのストローをくわえながらきた。オレンジジュースは100%のしか飲まないって決めてるんだって。子供みたい。
「野球部のマネージャーのことなんだけどさ、彼氏に反対されちゃって。悪いけど、あたしは他のとこに入るよ」
申し訳なさそうに早絵は言った。そっかぁ、男ばっかりのとこだもんね。彼氏が反対するのもわかるよ。
「夕里は?幸久先輩に反対されてない?」
夕里はカワイイからな…あんなとこにいたら彼氏が心配しちゃうよね?
「全然。自分のやりたいことやればいいって。それに明日香ちゃんと一緒なら楽しそうだねって言ってたよ」

実は2日前の放課後、夕里の彼氏の幸久先輩に会ったんだ。私が無理やり紹介してって言ったんだけど。すごくかっこよかった。テニス部の部長やってるんだって。美男美女でまさに理想的なカップル。

「じゃあ決まりだね。お昼休みに入部届出しに行こ」
善は急げ。
早絵のほうはとりあえず帰宅部になるらしい。彼氏がものすごい束縛する人みたいで、早絵はは嫌だって言ってるけどそんなに嫌がってるようにみえないのは私だけかな。


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