第八章 ケダモノとの交わり-1
第八章 ケダモノとの交わり
「んふっ・・んふっ・・んふっ・・んふっ」
ひざの上でルナが踊っている。
浅黒い男の身体に抱かれながら。
男の突き上げる動きのまま正確にリズムを刻んでいく。
男の広い背中でさ迷う、しなやかな腕の残像が森の闇に浮かんでいる。
ディオンの虚ろな目が、それを追っていた。
男の髭に埋もれた唇から差し出された舌を自分から絡ませ吸っている。
決して放そうとはせず、もう長い時間、繋がったまま腰を振っているのだった。
「ル・・・ナ・・・・」
言いようの無い悲しみと同時に、不思議な安堵感がディオンの心を包んでいた。
ルナの喜びの表情が、そうさせるのだろうか。
「んふぁっ・・・あああ、ああっああっ」
ようやく男の唇を放すと、しっかりと身体にしがみ付きながら腰をローリングさせている。
「いいっいいっ・・いやっ、もっとぉ・・・。
凄いぃ・・・ひぃ・・・いいっいいっ」
これが、我が妻ルナなのか。
ディオンは信じられない想いで見つめている。
幼い頃から共に育ち愛し合った人。
母のマチルダゆずりの気品に満ちた誇り高い王女が今、目の前のルナなのか。