第六章 呪いの残像-2
「フフフ・・・ヒィエヘヘヘヘ」
それは痛さだけではなかった。
暗い闇の中で何かが膨らんでいった。
不精ひげに覆われた浅黒い顔から覗かせた黄色い歯を食いしばるようにして、男は揉み解していく。
「すげぇ。すげぇー・・・
へへへへ・・王女様のオッパイだぜ。
ひゃははは・・・」
吸い付くような弾力で、男の手に絡み付いてくる。
「うっ、くぅっ・・・・」
ルナの苦痛に似た声が森に響いていく。
ディオンは何とか起き上がろうとするのだが身体がいう事をきかなかった。
目の前でルナが犯されようとしている。
忌まわしい記憶が蘇る。
一度は経験した事ではあった。
だがそれはアズートの妖術にかかったせいで、自分達の意思ではなかった筈だ。
今は違う。
ハッキリと意識があるのだ。