第五章 ルナの魔力-3
アズートの魔力にかかり、ルナの力も衰えてしまっていたのだ。
そして、連日の苦しみが体力も奪っていた。
男は再び近づいてくると、ルナの細い腕を掴み引きずり上げた。
「キャーッー・・・」
悲鳴と共に、ルナは持ち上げられてしまった。
「な、何をするっ」
慌てて男の足にすがったディオンは、そのまま強烈に蹴り返され木に叩きつけられた。
「あうっ・・・・・」
ディオンは息も出来ずに頭を垂れている。
「ヤメテッー・・・・」
叫ぶルナを草むらに下ろすと、男は馬乗りになって獲物の料理にかかるのだった。