第四章 死への旅立ち-8
「あの日」二人で逃げこんだ洞窟だ。
そこで毒薬を飲んで抱き合って死ぬのだ。
国の政策は大臣達に任せれば良い。
この一月の間、懸命に話合ったのだから。
しかし、もうすぐ洞窟に着こうとした時に盗賊に出会ってしまった。
ディオンは運命のイタズラを呪った。
(せめて・・・ルナだけでも逃げてくれ)
心の中の叫びがルナに届く。
「ディオンッ・・・ディオン・・・」
薄闇の中でルナの瞳が金色に輝き、怯えていた。
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