第四章 死への旅立ち-6
そして「過ぎ越し祭りの日」である今日にむけて、それは頂点に達しようとしていた。
「ほ、欲しいっ・・抱いてぇ・・・ディオン」
朦朧とした表情でディオンに迫るルナを、彼はどうする事も出来なかった。
とうとうディオンは苦しい決断をする。
「そ、そん・・な・・・」
ディオンの提案に、絶句するルナだった。
「国中の男と交わらなくては、
呪いは解けないとアズートは言っただろう?
僕の命もあと僅かだ、ルナ・・・。
君には幸せになってほしい。
誰かと結婚をして子孫を増やすんだ。
それには呪いを解かなくては・・・。
僕では・・・・だめなんだ」