第四章 死への旅立ち-5
「見てぇ、ディオンー・・・私ぃ・・。
淫乱なのぉ・・・呪われてるのぉ」
祭壇の上で自分を犯すルナの痛々しい様をディオンは見ていた。
止める事は出来なかった。
昼間は懸命に自分と戦いながら、国を建直す政務をこなすルナだったからだ。
毎夜、地獄のような日々が続いた。
「殺してぇ、いっそ殺してぇ・・・」
力を振り絞って抱きしめるディオンの腕の中でルナは切ない願いをつぶやきながら、やっと眠りにつくのだった。
日に日に二人の体力は衰えていった。
ふくよかだった頬はやつれ、大きな瞳の下には薄っすらとクマが見えるようになってしまった。