第四章 死への旅立ち-4
「あの日」以来、ディオンは不能になっていた。
ルナが幾ら尽くしてもエレクトしないのだ。
逆にルナの泉は溢れ、激しく求めてしまう。
アズート司教の精気を体内に受け止めたルナは、男無しではいられない体になっていた。
唇や指の愛撫はかえって炎を燃え上がらせるだけで、一晩中狂ったように泣き叫ぶルナを無念の思いで必死に抱きしめるしかなかった。
王宮の女官達に聞かせたくなかったディオンは、新しく聖剣を祭った聖堂に二人きりで毎晩、夜を明かしていた。
先代の王と王妃の霊を弔うと称して。