第四章 死への旅立ち-2 「ウエヘヘヘヘヘ・・・そうだよ。 俺ぁ、盗賊さ・・・」 ひげと垢で真っ黒な顔にギラツイタ両目が白く闇に浮いている。 赤く血走った無数の血管が見えた。 太い両腕は逞しく盛り上がり、所々破けた衣服から鋼のような筋肉が覗かせている。 「お前ら・・・アキニシス人だな。 いい服着てるぜ、売れば高そうだ・・・。 その宝石もな、おやぁ・・・?」 男は舐めるように二人の姿を見ている。