第二章 アズートの呪い-4
「ルナの気持ちは分かる・・・僕も」
ルナのブルーの髪を優しくなでている。
「僕も、いっそ・・・
死ねたらと思う」
ディオンの言葉にルナは顔を上げた。
金色の涙が頬を伝っていく。
「でも・・・・」
ディオンはそっと指で触れる。
「僕たちは・・・」
指に流れた涙に唇を寄せた。
「誓った・・・じゃないか?」
そしてもう一度ルナの頬を包むようにして、フッと顔をほころばせた。
「僕たちは・・・
国のために身を捧げたんだ」
ルナの瞳から涙が溢れてくる。
ディオンの指に伝わり流れていく。
「まだ、国を・・・
人々を救ってはいない」
「ディオ・・ン・・・」
ルナの手が愛する男に向かって伸びていく。
逞しかった男の胸は肉が削げ落ち、薄っすらと骨の形が見えていた。