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王女と王妃を調教する:呪われた王宮〜宿命(さだめ)を負う聖少女の物語
【ファンタジー 官能小説】

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第三十一章 過ぎ越しの日-3

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「ルナ女王様、バンザーイ・・・」

それでも身体の奥底に眠る熱い感覚が大声をあげさせる。
身体中から生気がみなぎり国のために、女王のために尽くしたくなる。

他の男達もキッと、そうであろう。
民衆に手を振りながら時折見詰め合う二人は、変わる事のない愛を感じていた。

いや、それどころか年を経る毎に益々想いは強くなっていくのである。
ディオンの髪は元の艶やかな黒髪に戻り、逞しい青年殿下としてルナ女王を補佐した。

ルナ女王も女性としての魅力を更に増し、身体つきも五年前に比べると遥かに豊満で魅惑的であった。
五年前に植え付けられたアズートによる呪いも解けているのだろうか
ディオン殿下はルナ女王のくびれた腰に手を廻すと、小声で囁いた。

「イヤ・・だ・・・」
王女は笑って殿下の肩を軽く叩いた。

仲むつまじい二人を女官達も笑みを浮かべて見ている。
だが、彼女達は何時も不思議に思う事があった。

「過ぎ越し祭りの日」は宴の途中から記憶がなくなる事を。
それでも大好きな女王のお傍に仕えているだけで幸せであったので、さして気にもしなかったが。

人々の記憶の奥底に忘れられている出来事を、ルナ女王とディオンの二人だけは知っていた。今もルナの身体の中には昨夜の余韻が残っている。
そう、あの夜キエフ達と共に過した時と同じように。


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