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女らしく
【コメディ 恋愛小説】

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女らしく【11】『ゲームと王様と月見酒』-1

海辺の夜。冷えた潮風が風呂上がりで上気した頬を撫でていく。

小旅行一日目の夜。明日は昼前までには出発するので遊んでいられるのは今夜が最後。

「気持ち良かったぁ♪」
「う〜ん、確かにお姉様の白く柔らかな肌は気持ち良かったですねぇ…」

詩乃が夢見心地の様な状態でウットリと瞼を閉じている。

「だから…オレは一人が良かったんだ…」

風呂は確かに気持ち良かった。でも…詩乃がギラギラとした目付きでこっちを見たり、ベタベタとオレの身体にくっついてこなければ、もっと気持ち良かったはずだ…

「この後はどうするんですの撫子さん?」

珍しくブロンドの髪を軽く後ろで束ねた奏がこれまた貴重な浴衣姿で撫子さんに尋ねる。

「ふふふ♪とりあえず…部屋に戻り、お酒でも飲みながらゲームでもしようじゃない♪」

撫子さんと年齢不詳の博士と稲荷以外はみんな未成年ですけど…

「飲んだことはあるでしょ?」

まあ…そうですけども…

「大丈夫、大丈夫♪死ぬような飲み方はさせないから♪」

不安だ…貴女の死ぬ基準が分からないから…

ガラッ…

「ただいまぁ!」
「おかえりナサイ!」

部屋の戸を勢いよく開ける。部屋の中には大和と稲荷と晴樹が浴衣姿でのんびりしており、博士は浴衣の上にユニフォームの白衣を羽織っていた。

オレ達の部屋は大部屋。撫子さんが予約を入れたため、わざと大部屋になったことは火を見るよりも明らかだ。

「早速だけど大和、お酒ちょうだい♪」

撫子さんに言われ、渋々ながら大和が備え付けの冷蔵庫から缶チューハイを取り出す。

「私はジュースで」
「ぼ、僕も…」

ミリィと晴樹用にオレンジジュースが取り出される。

「我輩、ビールがいいデス♪」

博士用にビールも取り出される。

「おい、日本酒寄越せ」

稲荷用の日本酒が取り出される。

「ワインはありますかしら?出来れば赤を」

奏用に赤ワインが……って何種類入ってるんだよ!!

「細かい所は気にしないの♪では、みんな乾杯しよう!」

4本の缶チューハイ、コップに入った2杯のオレンジジュース、1本の缶ビール、小さな杯に入った日本酒、グラスに入った一杯のワインがそれぞれ掲げられた。

「えー、今日一日の楽しかった思い出にかんぱ〜い♪」

乾杯♪


「マコトは酒に強いんデスカァ?」
「まあ…普通かな…」

多少、酔いつつある博士が絡んでくる。


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