女らしく【11】『ゲームと王様と月見酒』-6
「な、何言ってんだよ!オレには大和がいるし…そうか酔ってんだな?ったく冗談が過ぎるぞ。飲み過ぎだぜ♪」
「ああ…酔ってるのかもな…」
「こんな所で寝るなよ?風邪ひくから」
「ああ…」
稲荷はまた窓から月を見上げている。
グイッと中身を一気に飲み干す。
「オレはそろそろ寝るよ…稲荷もこれくらいにしとけよ?」
「ああ…もうやめるよ。後少し月を見たら寝る…」
「じゃあな。おやすみ稲荷♪」
「おやすみ…マコト…」
自分の布団に潜り、少しずつまどろみの中へと落ちていく。
楽しかったな…
夏休みももうすぐ終わりか…
「おやすみ…彩…」
誰かに呼び掛けた稲荷の声を夢の中で聞いたような気がした。
続く…