女らしく【11】『ゲームと王様と月見酒』-2
「それより博士、今日は海で何してたんだよ?」
泳いでも無かったし、遊んでも無かったからな。
「我輩はナンパデース!」
博士の口から意外な単語が漏れる。ミリィがそれにすかさず反応した。
「何をしてるんですか!!!」
「博士がナンパ!?」
「そうデスヨ♪『実験材料になってクレマセンカ』って適当に人に声をカケテ…」
それはナンパじゃないぞ…よく捕まらなかったよな…
「で、結果は…」
「ゼロ…何故なんデショウカ?」
当たり前だ…
「では…この辺でゲームでもしよ〜♪イエイ♪」
程よく出来上がった撫子さんがテンション高めで宣言する。
何するんだろ?トランプ?
「じゃ〜ん!こ・れ♪安上がり&手作り♪」
撫子さんの手の中には9本の割り箸が握られている。
あの…オレの間違えだったらごめんなさい…
それは王様ゲームですか?
「正解♪マコトちゃんには10撫子を贈呈!」
「なんだその不吉なポイントは!」
「黙れ愚弟♪このポイントを貯めると私の気分に応じて何かプレゼント♪」
そんなポイントの説明はいいですから…
「とにかく王様ゲーム開始〜♪」
その有無を言わせぬ態度に仕方なく割り箸を引く。
「王様だぁれだ♪」
「はい♪」
まずはミリィ。
「じゃあ1番が2番にでこピン♪」
まずは軽めの命令。今回はオレには関係ない。
「1番ですわ」
「我輩…2番…」
あ…軽くなかった…
でこピンを撃ち込もうとする奏はすんごい良い笑顔だった。
バチィィィンという凄まじい音がして博士は額を押さえて悶絶し、奏は何かやりとげた顔をしていた。
「はい、ゲーム続行♪王様だぁれだ?」
「あっオレだ」
今回はオレが王様。
「じゃあ…3が5にビンタ」
「はいっ♪3、わったし♪」
うわぁ…よりによって撫子さんかぁ…大和じゃないといいけど…