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ヤクトリの女
【熟女/人妻 官能小説】

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休暇-2

パソコンの解析をしていた緒方が、ロックを掛けられたデータが有ると報告して来た。尋問された城田は真理子なら話すと指名してきた。城田は、真理子にロックのパスワードを教える条件に拘置所内や刑務所に置ける神木への安全面の配慮を求めた。

それは、松方組と対立しているからかと聞くと頷く。自分の安全は求め無いのか聞くと不敵に笑い、俺を狙うヤツを心配した方が良いと不敵に笑う。真理子は条件を認めた。

パソコンのロックされたデータは、VIP会員達のツープッシュの受け渡し現場や使用している動画や写真だった。その情報にVIP会員達も諦めツープッシュを回収出来た。だが所持や使用は違法と知らなかったと一般会員と同じ言い訳をする。

使用も相手と合意が有ったと主張して被害者が名乗り出なければツープッシュの回収がせいぜいであった。だがVIP名簿がメディアに出回る、真理子が調べた限りでは出どころは上層部で何らかの思惑が有っての事に思えた。

それから風向きが変わる、メディアのバッシングが強まるとVIP会員の会社役員や官僚達の辞職、辞任が相次いだ。名乗り出た被害者の一人は例のヤクトリの廃止を叫ぶ国会議員の女性秘書だった。父親の有力国会議員は、娘の女性秘書に訴えを取り下げさせ例の国会議員は別の理由で議員辞職した。

色んな事が有り、ようやく一段落して部下達にも有給休暇を取らせてやる事が出来た。暫くして真理子も休みを取ったのだった。今日銀三との逢瀬を重ねた管理人室のある例のビルに行ったのは、銀三と連絡が取れなくなったからだ。

銀三にもう会わないと言明された当初は、以前の生活に戻るだけだと自分を納得させた。だが一週間も経たない内に、それまで日を置かず銀三に抱かれていたせいか身体が疼き、抑え難い欲望に苛まれた。仕事の合間や寝る前に銀三との性行為が鮮明に頭に甦る。

銀三に逢いたい思いが募り、知らず知らず携帯から銀三のスマホの番号をコールしていた。だが銀三は全く電話に出ないし、掛け直しても来なかった。真理子は苛立ちを深めるばかりだった。

二週間目になると真理子の再三に渡る着信に嫌気が差したのか、銀三はスマホの番号を変えた様で『この電話番号は、現在使われていません。』のアナウスが流れてくる。ショックの余り叫び声を上げそうになる。

それを何とか抑えられたのは、毎日深夜まで献身的業務を果たす部下達を見ていたからだ。早く仕事を一段落させ、みんなに休みをと言う思いでやって来た。

そして、真理子自身も久しぶりに平日に休みを取る事が出来て向かった先はあのビルだった。奇跡的に銀三に会えるのではとの期待は、ビルの解体工事の現場を見て打ち砕かれた。

だがビルのオーナーに偶然遭遇と言う幸運に恵まれた。真理子は、今一度銀三と話したかった。具体的に何をどう言うか自分でも分からなかったが、とにかく会って話したかったのだ。



  銀三はそろそろ打つのをやめて家に帰るかと思案した。幸先良いスタートから久しぶりの10万超えの大勝ちコースだった。連れの二人は、イチが仕事だからとちょい負けでコーヒーを持って来て帰った。

吉爺は大負けからの粘りでちょい勝ちらしく、やはり仕事が入ったとパチ屋の近くのたこ焼きを差し入れして帰った。銀三は、店員を呼び出玉を流して景品に替えるとパチ屋近くの景品交換所で換金してニンマリした。

(早いが、いつもの弁当屋に行ってスタミナ弁当買うか。)
(ビールは確かまだ有ったな、イチが持って来てくれたのが残っている筈だ。)

と思いながら景品交換所の有る路地から通りに出た所で後ろから、

「久しぶりです。」

と女性の声が掛かる。


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