第二十二章 地獄の風景-4
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「んん、ふぅ・・・・・・ディ・・オン」
「王妃様、んぐぐう・・王妃様ぁ」
ルナの目の前で、ケダモノと化した二人が激しく互いを味わっている。
まさに地獄の光景であった。
(お母様・・ディオン・・・)
ルナは涙を流す事さえ出来ずに呆然と眺めていた。
心の中は真っ白であった。
遂昨日、愛を交わしたばかりの愛おしい男が実の母と抱き合っている。
ディオンの舌が、母の白いうなじを辿って降りていく。
自分を愛してくれた唇である。
「おおお・・ディオン・・・」
生々しいまでの現実がルナを襲う。
母の手はディオンの顔を導き、自ら開いた胸元に押付けていく。
豊満なバストが姿を現した時に、ディオンの瞳は喜びに輝いた。
「あああ・・綺麗だ、王妃様」
そして、崇拝する王妃の果実を頬張っていく。
「あああっ・・・ディオンッ」
二人は傍にいるルナに気付きもしないで痴態を繰り広げていく。
「ああ、美味しい、王妃様・・おおお」
弾力のある膨らみがディオンに快感を呼ぶ。
「あああ・・美味しいっ・・・何て素敵なんだ」
若者は狂ったように、王妃の乳首に舌を這わせていく。
「んふー・・あああっ、いいっ、ディオンー・・いいー」
母のドレスが大きくはだけ、見事なプロポーションを見せている。
端整で甘いマスクのディオンの顔が恍惚と歪んでいく。
余りのショックにルナは徐々に力が抜けていき、立っている事さえが辛かった。
ルナの持つ聖剣の光が急速に弱まっていった。
心が白くなっていく。
自分は誰なのだろう。
何も思い出せない。