第二十章 街-3
「い、いけません・・王女様・・・」
ルナの言葉にキエフは慌てて言った。
ルナは男の手を握ったまま見つめた。
金色の瞳が輝き出すと、キエフはゆっくりと崩れるように倒れてしまった。
「王女・・さ、ま・・・」
そのまま眠りについた男の頭を撫でて、ルナは言った。
「ゴメンね、キエフ・・・。
お前の親切は忘れないわ」
そして、ディオンの顔を真っ直ぐに見た。
通じ合った二人の心に言葉はいらない。
ルナとディオンはシッカリと手を繋ぎ合い、王宮に向かって歩き出していった。