第十九章 始まり-2 ルナは笑顔を返すと、もう一度囁いた。 「ディオン、愛しています・・・」 若者は返事の代わりに、そっとルナの顔を引き寄せた。 昇ったばかりの若い日差しが樹海を金色に染めている時、二人のシルエットが美しく重なっていた。 目覚めたルナのオーラが、大鳥を包んでいる。 闘いの時が今、始まろうとしていた。