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王女と王妃を調教する:呪われた王宮〜宿命(さだめ)を負う聖少女の物語
【ファンタジー 官能小説】

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第十八章  目覚め-1

第十八章 目覚め

遺跡の中に見つけた泉からくんだ水を口に含むと、ルナはディオンに口うつしで飲ませている。

あれから二日も眠ったままであった。
ただ食事もとっていないのにディオンの顔色は良く、生気に満ちていた。

「ディオン・・死なないで・・・」

だがルナの不安は消える事なく、ひたすらに愛する男の目覚めを願っていた。
水を飲ませる度に、心の奥から愛する者の名を呼んでいる。

「愛しています、ディオン・・・」
何度目かの呼びかけの時、若者の目蓋が開き涼しげな瞳を覗かせた。

「うっ・・うぅ・・・」

「ディオン、気が付いたのねっ・・・。
 おお・・ディオン、ディオン」

ルナは涙を流して喜んだ。
若者の胸に取りすがり、肩を震わせている。

「ル・・ナ・・・」
起き上がりルナを抱きしめたディオンに、息を飲んだ。

何か急に大人びたようで逞しく見えたのだ。
背も幾分大きくなったように感じる。

「ディオン・・・」

若者の瞳に吸込まれるように、ルナは顔を近づけていった。
金色の瞳が長い睫毛に閉じられ、ゆるいカーブを描いていく。

月明かりが二人を照らしていた。
大人に成長した二人の愛の口づけであった。

「ん・・ふ・・・ぅ・・・」

それは今までの幼いキスの味とは明らかに違っていた。
ネットリと絡みつくような感情が伝わってくる。

ルナの細い腕は若者の首に巻き付き、シッカリと抱き寄せている。


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