第十三章 捜索隊-2
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「ディオン、ディオン・・・」
ルナは何度も愛する男の名を呼んでいた。
ルナの慌しく悲惨な回想が終わった。
ディオンが食料を調達に行って別れてから、得体の知れない男達に襲われたのだ。
待っているように言われた地点からは、もう遠く離れてしまった。
金色に輝いていたルナの身体の光が、徐々に弱くなっていく。
足取りも重く、これ以上は歩く事さえ困難であった。
ルナは倒れ込むように、大きなきり株に腰を下ろした。
喉が乾く。
お腹が空いて、めまいがする。
ディオンと別れてから、何も口にしていない。
心細くて涙が出そうであった。
遂この間までは、城の中で平和な毎日を送っていたというのに。
どうして、こうなってしまったのであろうか。
いっそ、本当の事を知らない方が良かったのかもしれない。
愛するディオンも巻き込んでしまう事もなかったのに。
いや、そうではない。
このままにしておけば、父の命が危ない。
母もアズートの虜になったままでは、アキシニス王国は滅びてしまうだろう。
自分もアズートの奴隷にされて、ディオンの生気を吸い取るようになってしまう。