PieceFull・Love-3
「さっきから何なのよ…。っていうか墓地広い!」
なんせここは市最大の墓地。軽く東京ドーム1個分はある。
「はぁ…、我ながらミスったわ…。」
と、一人嘆いているとまたまた前方から人影が。
「う゛…ど、どうしよ…。」
さっきので散々逃げたので、今度は近くの墓の影に隠れてみた。
「通り過ぎて下さい通り過ぎて下さい通り過ぎて下さいぃぃ…。」
「石舞ぃ〜?いたら返事してくれ〜。」
人影は鳴夜くんだったんだ!!あぁ…良かったぁ…。
「鳴夜くんこっち…」
墓の影から出ようとする。が……。
ぴとっ。
恐怖のハンペンリバイバル。
「あぁぁう……。」
まさか二度目のハンペンで気絶してしまった瀬里奈。
「石舞〜?あ、そんな所で寝てたら風邪引くぞ?ってかまたハンペンが…、とりあえず運んであげないと…。」
意外に天然な桂鳴夜だった。
「ん…んぅ…。」
「お、目が覚めたか。」
あ…、鳴夜くんだ…。確かまた気持ち悪いのが当たって…それから…それから?ってアレ?足が浮いてますよあたし!!
「あたし重いから降ろしていいよッッ!?」
「全然重くないぞ。気絶してたんだから大人しく乗ってろって。もう逃げんなよ?探すの苦労したんだから。」
「う、うん…。」
二人で道を戻り、カードのある場所に向かって歩き出す。
なんか、鳴夜くんの背中って大きいな…。安心する…。