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王女と王妃を調教する:呪われた王宮〜宿命(さだめ)を負う聖少女の物語
【ファンタジー 官能小説】

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第五章 噂-2

「おはよう、王女さ・・ルナ」
明るく元気な声に振り返ると、ディオンが立っていた。

途端に少女の胸は早鐘のように、更にときめくのであった。
ディオンもルナの美しい顔を改めて目の前にして、急に顔を赤らめた。
昨日の出来事は、二人の意識を幼馴染みから別の物に変えていた。

「お、おはよう・・ディオン」
ルナの声も廊下の絨毯に染み込んでいく。

「ぷっ・・く・・・」
短い沈黙の後、二人は吹き出した。

「ハハハハハ・・・」
「ホホホホホ・・・」

二人は直ぐに少女と少年に戻って、庭園に駆け出していった。
ただ繋がれた手の温もりは、以前とは違うくすぐったさが感じられたが。

しかし、城を出た時に司教の姿を見つけると、二人は慌てて手を離した。
司教は穏やかな笑みを崩さずに頭を下げた。

「お、おはようございます。司教様」
二人は声を合わせるように言った。

「おはようございます、ルナ様。ディオン」
司教の姿が通り過ぎて見えなくなると、二人は弾けるように迷路に走っていった。

「あー、ビックリした・・・」
二人は迷路の刈り込みに座り込むと、荒い息を暫らく吐いていた。

「見られちゃったかしら、司教様に」
ルナが顔を赤らめて言うと、ディオンの胸がズキンとした。

こんな可愛いルナと昨日キスをしたのだと、改めて思い出したからだ。
しかし自分のよこしまな思いを見ぬかれぬように、ディオンは真顔で呟いた。

「大丈夫だと思うよ、だけど・・・」
ディオンの真剣な表情に、ルナは訝しげに聞いた。


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