第四章 白い記憶-5
「あああ・・は、あふぅ・・・ああぁ」
ネットリと全身に絡む愛撫に、ルナは息も絶え絶えになっていた。
大蛇は更に大きくなり、その太い身体を白い腕が抱きしめている。
「返事をしろっ、ルナ・・・。
お前は、俺の奴隷になるのだ」
「ああー・・ああー・・・」
ルナは恍惚の表情で大蛇を抱きしめる。
そして清純な顔から、信じられない言葉を口にしていくのだった。
「あああ・・ハ・・イ・・・ハイー。
ご主人様ぁ・・私を・・
ルナを奴隷に・・・
して・・・下さいぃー・・・ああー」
全てが支配されていく。
もう何でも良かった。
このまま、そう・・・。
このまま官能の海に溺れていたい。
大蛇の長い舌がルナの唇をこじ開けていく。
美しく並んだ小さな歯が赤黒い舌に蹂躙されていったかと思うと、自分から舌を絡めていくのだった。
「ああ・・あう、んううー・・・むんん」
王女が大蛇と抱き合い、舌を絡めている。
目の前が真っ白になっていく。
ここが何処か分らない。
自分が誰かさえも、わからない。
ただ、白い官能の海をおよいでいく。
ネットリとした快感と共に。
何度も訪れてくる。
切なく壊れそうな予感のする何かが。
ルナの心が壊されていく。
遠く弾けて飛ばされていくのだ。
そう、いつものように。
そして、ルナは叫ぶのであった。
「ああっ・・ああああっー・・・」