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王女と王妃を調教する:呪われた王宮〜宿命(さだめ)を負う聖少女の物語
【ファンタジー 官能小説】

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第三章 過ぎ越しの祭り-2

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「つかまえたっ、フフフフ・・・」
「アーッ・・・」

庭園の中央にある刈り込みの迷路の片隅で、ディオンの視界がルナの手で遮られた。
柔らかな感触が心をくすぐる。

ディオンは暫らくの間ジッとしていた。
このまま甘い温もりに包まれていたかったのだ。

二人の荒い息が、植栽の中に溶け込んでいく。
両親の姿はルナの視界から消えていた。

ディオンの汗の匂いがする。
男の匂いである。

この頃急に大人びた二人は、互いを強く意識するようになっていた。

「つかまえた・・・」

同じ言葉を小さな唇からこぼすと、ルナはディオンの背中に顔をもたれさせた。

思ったよりも大きな背中であった。
優しい顔立ちに似合わぬ、逞しい筋肉が感じられた。

「王女・・・様・・・」

ルナの頬の温もりが、背中から広がって体中を熱くしていく。
ディオンは王女の手を取ると、ゆっくりと振向いた。

「いやよ、王女様なんて・・・。
 前みたいにルナって呼んで」

目の前にディオンの青い瞳を見つけると、ルナの顔は見る見る内に赤く染まった。
城中の女官が噂するディオンの端整な顔立ちは、幼馴染みのルナにとっても心に迫るものがあった。

「でも、この間十五歳になって正式に
 王位継承者になったんだ・・・。
 もう、気安く呼べないよ」

「いいのよ、そんな事・・・。
 私、女王になんかなるつもりないもの」

「だ、だって・・・」

煮えきらないディオンの口調に、ルナの心にイタズラな気持ちが湧き上がった。

「フーンだ・・・。
 どうせディオンは私の事よりも、
 お母様の方が好きなんだものね」

そして大袈裟に顔をそむけた。

城の庭園の中とはいえ、迷路の背の高い刈り込みは二人きりでいる事を意識させる。
こうして話していると、益々顔が火照って赤くなってしまうのだ。


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