満たされた心と体-1
由紀がシャワーを浴びて部屋に戻ると、男性達は服を着てソファーに座って由紀を出迎えた。
一人一人が由紀に本日の感想と感謝の言葉を述べた。
このサークルでは、最後に皆が揃って、一人一人、きちんと女性に挨拶をすることにしている。
行為が終わった直後に次々に男性が帰るような状況を見ると、女性が傷付くことがあるからだ。
由紀は皆が喜んでくれてとても嬉しく思った。
行為の前も最中も後も、皆は由紀をたくさん褒めてくれた。
そして自分にあった隠れた願望が満たされたことも嬉しく思えた。
由紀は数日後、このサークルを紹介してくれた上野香織と食事を共にしていた。
「ねぇねぇねぇ、どうだった?どうだった?」
香織は早速由紀に感想を聞いた。
「え、あ、あのサークルの話?」
「あったり前じゃん!それ以外何があるのよ!まったく可愛くすっとぼけるねぇ。どうだったのよー、良かった?それとも今一つだった?嫌な思いしなかった?」
「う、うん、そうだね、す、凄く良かったよ」
「でしょ!でしょ!結局何人いたの??」
「えっと、5人かな」
「5人かー。5人の男に由紀がされちゃったわけなのねー、そっかー。で、率直な感想はどうなのよ?」
「う、うん、何か、凄いよね」
「だよねー、男達が群がってくる感じって、興奮しなかった?」
「う、うん。そうだね。興奮、したね。」
「だよねー。そっかー、ついに由紀もされちゃったかー。なんかさ、たくさんかけられたりしなかった?」
「う、うん、何か色々な嗜好の人がいて、色々なところに出されたよ。」
「うん、うん、そうだよね。あれ、私、結構興奮しちゃうんだ。顔とか凄いことにならなかった?」
「う、うん。何かたくさんかけられたよ。」
「だろうねー、男達は由紀のその可愛いお顔にかけたくなるんだよねー、きっと。あとは?どこにかけられたりした?」
「うーん、あとは、胸とか腋とか、あと脚とかかな。」
「あー、それも分かるなー、由紀はお肌が白くて綺麗だからなー。もう、精子まみれだね。嫌じゃなかった?」
「う、うん、本当にたくさんかけられたけど、私も嫌ではなかったかな。」
「わー、エロいなー。何か興奮しちゃうよ。私さ、レズってわけではないんだけど、由紀みたいな可愛い子にオスが群がるような場面って、何か興奮するのよね。変な性癖だけど。」
「香織ってエッチだね。でも私もその気持ち分かるかも。」
「おー、いいねいいねー。何か清楚な由紀をこっちの世界に引きずりこんじゃったねぇ。あ、そうだ、あの家庭教師やってあげてた高校生、その後どうなった?」
「え、あー、その後って」
「だからー、あんたが童貞奪ってあげたでしょ。その後どうなったのよー」
「う、うん、何回か授業やって、元々の契約の期間が少し前に終わったんだ。もし短期間でも必要と思ったら連絡してってことにしてあるんだ。最近連絡きたんだけど。」
「しちゃった後は、何か話しなかったの?そっちの話。」
「うん、何か言わない雰囲気にしたかな。少し気まずさもあって」
「でもまた連絡来たんだね。もちろん忘れられないだろうしねー。それで短期でまたやるの?」
「うーん、どうしようかなって思ってて。一区切りつけたかったというのもあるんだよね。」
「そうなんだ!じゃあさ、私やるよ。英語でしょ。清次君だっけ?会ってみたいんだー」
「あ、香織がやってくれるなら清次君に連絡しておくよ。」
「わー、ありがとう。何かいいよね。思春期の男子にレッスンするのってー」
「ちょっと、香織、英語を教えるんだからねー」
「分かってるってー。でも、そんなこと言って、由紀も童貞奪ってるんだからねー」
「ちょっと、あまり言わないでよー」
由紀は口にはしなかったが、香織が思春期の男子に性的な刺激を与えることを想像すると、何とも言えない興奮を覚えるのであった。
由紀は自分が性的なことに対して、解放されていく自分を自覚していた。
そしてそれを受容していこうとも思えた。
香織との会食の帰り道、塾講師時代の同僚と複数プレイをしたこと、サークルで5人の男性と乱交したこと、由紀はそれを振り返っていた。
心と体が満たされると、考えも大きく変わるものだなと。そして、これで良かったと思えるなと、考える由紀なのであった。
(続編へ続く)