パート1-1
「フフフッフフーン…」
ホテルのバスルームで、シャワーを浴びながら、鼻歌を唄っているのは峰不二子である。不二子は一人、バカンスに出かけていた。そして、不二子はシャワーを浴びていた。
「ふぅ…良い気持ちだったわ…」
不二子はシャワーを浴び終えると、バスローブ姿でバスルームから出てきていた。
「お客様…紅茶のご準備ができております…」
「あら…ボーイさん、ありがとう。」
不二子は、ルームサービスで頼んでいたために、シャワーを浴びている合間に準備してもらっていた。
「では、私はこれで失礼いたします。」
「フフ…また、よろしくお願いするわね。」
不二子はボーイに向かって、バスローブ姿のまま、胸の感触が伝わるぐらいに身体を密着させていた。
「お…お客様、身体が近いです。」
「あら…ごめんなさい。」
「では、改めて失礼いたします。」
ボーイは少し動揺しながら、不二子の部屋から出て行った。
「さて、せっかくのバカンスなんだし、楽しむわよ…」
不二子はルームサービスで頼んだ紅茶を口に入れていた。
不二子は紅茶を飲み干して、しばらくバスローブ姿のまま、しばらく部屋で過ごしていた。すると…
(トントン…)
と、扉を叩く音が聞こえてきた。
「お客様、ご在室でございますでしょうか?」
「あら、ボーイさんかしら、何も頼んでいないのだけれど…」
不二子は、部屋の扉に向かい、扉の鍵を開けていた。
「さっき来られたボーイさんと別の人みたいね。何かご用事でも?新たにルームサービスを頼んだ覚えがないのだけれど…」
「いえ…実は、先程伺ったボーイが、お客様にルームサービスを届けに来た際に、落とし物をしたらしく、その者が、別のお客様の対応で手が離せないために、代わりにお伺わせていただいた次第でございます。」
「あら、そうなの。そういうことなら、どうぞ…」
「では、失礼いたします。」
不二子はボーイを部屋へと上がらせていた。
「それで、さっきのボーイさんは、何を落とされたのかしら?もし、落ちているとすれば、テーブルの周りかと思うのだけれど…」
「そうですね。確か、ボールペンだったかと、先程のボーイの話を聴く限り、テーブルの周りだと思いますね。」
「そうよね…それじゃ、この辺りのはず…」
不二子は、しゃがみながら、テーブルの周りを探していた。
「ないわね…本当に落としたのかしら?」
「そのはずなんですがね…」
「キャッ!?ちょっと、何するのよ…」
しゃがんでいた不二子が立ちあがろうとすると、後ろからボーイにベッドに押し倒され、バスローブ越しに拳銃を胸に押し当てられたまま、馬乗りされていた。