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ショールーム・立てこもり
【鬼畜 官能小説】

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陵辱劇場・終焉-4

 性奴と化したのは麻衣や茜だけではなかった。三日間の激しい陵辱に神経が病んでしまったのか、それとも初めて知った強烈なエクスタシーに、身も心もそれを求めているのか。今では六人のコーディネーター全員が、男なしでは生きていけないマゾ奴隷に陥っている。
 特に、勝ち気で正義感の強い彩佳の変貌ぶりは著しかった。燃えさかる火柱となった肉体を癒やしてもらおうと、男を求めて尻を振り、自慢の乳房を揺らす。それが叶わなければ、恥も外聞もなく自慰に没頭した。

 今、彩佳は高級リゾートホテルをイメージしたキッチンカウンターで、大股開きにされていた。いや、されていたというより、自らさらしたと言うほうが正解か。股間の翳りは元山の剛直に深々と貫かれている。
「ああッ素敵・・・」
 彩花が歓喜の声をあげ、自ら大胆に腰を振る。その痴態には、十数人のコーディネーターを束ねる凜とした威厳は微塵も感じられない。今はどっぷりと官能の悦びに浸りきってしまった人妻奴隷だ。

「・・・ん・・・」
 元山の腰の動きが止まった。空気が動いたのだ。それはエアコンの吹き出し口から流れる人工の風ではなく、明らかに不快な生暖かいそれだった。
「来たか・・・」
 危険を察知した野ウサギのように、元山の耳がピクピクと動く。凄まじい緊張感のなか、危機予知能力が野生動物なみに発達していたのだ。
「どうしたの元山さん?」
 惨めなのは彩佳だった。発情した肉体は耐えがたいほど熱く疼き、まもなくクライマックスを迎えるはずだった。
「やめないでッ!もっと・・・もっと激しく突いてッ!」
 惑乱した彩佳は自ら腰を振り立てた。元山が拳銃を取り出したのにも気付いていない。
「いいッ、あああッいいわあッ」
 激しく喘ぎながら、彩佳はラストスパートをかけた。官能が渦巻き、何も考えられなくなる。
(凄い・・・ああッ、凄いッ)
 人妻らしい脂の乗った尻を振りながら、彩佳は一気に頂点に昇りつめた。
「イクうッ・・・ああ、イクううーッ」
 男がウッと小さく呻き、最奥まで貫かれている男根を大きく膨らませた。
「あ・・・あああッ」
 男の息吹を子宮に感じながら、彩佳はガックリと全身を弛緩させた。

(素敵・・・)
 いまだ萎えない男の肉棒と繋がったまま、彩佳は激しいセックスの余韻に浸っていた。男女の営みがこれほどの快楽をもたらすものだとは、ついぞ知らなかった。愛する夫のことも、幼い娘のことも、今は眼中にない。
 元山の厚い胸に顔を埋めていた彩佳が、伸び上がるようにして男の唇を奪った。
「ねえ、愛して・・・もう一度愛してほしいの」
 それに応えるべく、二人の男女は舌と舌を絡め合った。
(こんな俺にも甘い結婚生活を夢見たこともあったんだ)
 何十年前のことだろうか。元山は感慨深い表情で、人妻の唇を貪った。
(いい思い出ができたぜ。地獄でセンズリ三昧よ)
 
 元山の耳がピクリと動いた。
「あああッひいいッ」
 彩佳は下から激しく腰を突いている。男の剛直が膣壁を圧迫し、稲妻のような快感が全身を走りぬける。
「ああッ、死ぬうッ・・・死ぬうううッ」
 ひときわ高い声で叫び、愉悦に浸りきろうとしたその時、
 バーン!!
 耳をつんざく銃声が鳴り響き、男の体躯が彩佳の裸体に崩れ落ちた。
 ギャア―――!!
 何が起きたのか分からず、キョトンとしている彩佳の口から魂消るような悲鳴が迸った。

「何でだろう?」
 検視を行った監察医が首を捻った。三人の凶悪犯の死に顔はどれも満足げで、笑みさえ浮かべていたからだ。

 日本中を震撼させた立てこもり事件も、人々の記憶から忘れ去られようとしていた。リナックスの相模原店は今では更地となり、六人のコーディネーター全員が退職していた。その行方は誰も知らない。

 リナックスは今でも売り上げ至上主義で、有名女優を起用したテレビCMが毎日のように流れ、空虚な笑みを振りまいている。

                                 (完)  

 
 





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