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恥ずかしの高校ミスコン
【学園物 官能小説】

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無毛美-1

 気になりだしたのは中学時代、2年生に進級したばかりの頃だ。美景は3月生まれゆえか初潮を迎えたのは周りの子たちよりやや遅く、中学に入って間もなくだった。胸もその少し前にふくらみ始めて、ブラジャーも着けるようになった。性教育の授業でそれらとだいたい同時期に性器の周りに毛が生えてくるものだと習っていたが、1年ほど過ぎても、萌え出る兆しすら見られなかった。お風呂に入っている時に、彼女はふとそれに気づいたのだ。

 乳房の発達やからだの線の変化、月経といった他の性徴は彼女にも「女性であること」をいやでも意識させるものだった。だが男女に共通して生える陰毛はそういう意味に乏しいため、なかなか気に留まらなかったのかもしれない。

 ちょっと気になって、彼女はインターネットでいろいろ調べてみた。友達や母親に話すのは気が引けたからだ。そういうことに関連するサイトを見ること自体も結構恥ずかしかったが、それで得た情報では、第二次性徴の発現には、その順序も含めてかなり個人差があるという。自分もそれぐらいのものかもしれない、とひとまず思った。

 それから約半年後、2年生の秋には修学旅行があって、同じクラスの女子たちと一緒に大浴場で入浴する機会があった。だいたいみんな濃かれ薄かれ恥毛は生えていた。そういう話題で盛り上がる子たちもいた。

「え〜っ、深瀬さんって中2でまだ生えてないんだ」「珍しくない?」
 美景の無毛はそれなりに同級生の目を引いたが、まだごく薄い子も多かっただけに、この歳ぐらいでは発育の個人差で片付いたのだろう。意地悪なクラスメートがいなかったこともあり、別に馬鹿にされるようなことは無かった。ただ、この歳で生えていないのはかなり珍しい方だと、改めて思い知らされた。
 もし修学旅行を3年生で行う学校だったら、事情はまた違っていたかもしれない。

 その後も女の子の大事なところに毛が生えてきそうな気配はなかった。中学を卒業する頃には、このまま発毛しないかもしれない気がしてきた。その時期には身長も胸もほとんど今と同じになっていたから、3月生まれだからとか、性徴の発現の個人差とかいう話ではないと認識せざるを得なかった。

 そして高校生になってからほぼ1年半になるのに、美景の性器は相変わらず子どものようにツルツルのままだ。これぐらいの歳になれば体質的な無毛症は確定だろう。

 同様に腋毛も全然生えず、手入れが要らない。これは大方の女子が羨ましがるだろう。おしゃれに興味はなくても身だしなみにはそれなりに気を遣っている彼女だが、他の女の子たちが腋の処理にどれほど苦労しているかも知らない。

 ただ陰部の無毛のことは友達にも母親にも話したことがない。彼女ひとりだけの、まさに乙女の秘密とでもいうべきものだった。

 そこまで深く恥じたり悩んだりしてきたわけではない。人にわざわざ言うことではないにしても、ちょっと珍しくて残念な身体的特徴の一つぐらいに思っていた。
 大好きな科学への関心が強すぎるあまり、思春期ただなかにありながら性的なことや自分のからだへの関心が、世の常の娘たちと比べてかなり薄かったことが一因だろう。
 これまで美人ゆえに片想われは多くても、逆に自分からの初恋は未だに経験していない彼女だ。いつかもし本当に好きな人が出来て、その彼と初めて愛を交わし合うことになったとき、どう思われるだろうか……といった形で懊悩するようなこともなかった(今時ならむしろ喜ぶ男も多いだろうが、そんな風潮ももちろん彼女は知らない)。

 だが、それがあまり普通なことではないのは承知している。ここで裸になり、大事なところを見られること自体が恥ずかしくてたまらないが、それが童女のように完全無毛とあっては何を言われるだろうかと思うと、やはり怖くなった。


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