ストリップ劇場のSMショー-3
その頃のストップ劇場での惨めな思いを、暁代は払拭したかった。
この館で、少年達を好きなように弄び、
彼らを欲望のままにセックスの相手をさせたのは
その反動からだった。
そんな頃の惨めな暁代を少年と少女達は知らない。
しかし、今の勇夫はその頃のような暁代の姿を少女、少女に見せると言う。
今の暁代には、彼の言葉に従わざるを得ない。
今更、ここを出ていくことも、今の暁代には出来なかった。
しばらく暁代は考えていたが、勇夫の言うことに従うことにした。
今の暁代にはその道しかない。
「わかりました、勇夫さん、あなたのいうとうりに従います」
「うむ……」
勇夫はほっとした、もし暁代が断ったら、
ここを暁代に出て行ってもらうつもりだったが、 本心ではそのようにはしたくなかった。
今のところ、被虐の女は暁代しか思い浮かばない。
「さて、話は決まったな、これから教義室に彼等を呼ぶことにする、良いな、暁代」
普段はどちらかというと温和な勇夫だったが、
何故か、その夜は違っていた。
「は、はい……あの、今ですか?」
「そうだよ、わかったな」
「は、はい」
暁代は冷たい勇夫の態度に震えていた、
今日の勇夫はいつもと違っていると感じていたからだ。
昔、暁代が若い頃にストップ劇場の踊り子だったとき、
地方で興業のときには、よくSMショーが開催されていた。
豊満な暁代はM奴隷として舞台で調教され、客達から喜ばれていたあの頃。
勇夫は暁代を見つめながら、その頃のことを彼なりに思い出していた。
ストリップ劇場で、調教された踊り子は暁代だけではないが、なぜか暁代は人気があった。
豊満な肉体と、調教されているときの切ない顔が客を喜ばせていた。
日によっては、調教好きな客を舞台に上がらせたこともある。
その日の舞台では、勇夫が暁代を調教することになっている。
それを食い入るように客は固唾を飲んで待っていた。
そこでは色々な踊り子達が躍ったり、裸になって客を楽しませていた。
それが終わると、いよいよクライマックスになる。
「さあ、皆さん、これからこの劇場での最高のイベントが始まります」
そう言ったのは司会役の劇場主だった。
舞台の照明が少し暗くなった時、勇夫と暁代が舞台の裏から現れた。
その姿に観客達は拍手を送っていた。
それは、パンツ一枚の勇夫に、犬のようにリードで繋がれた裸の暁代だった。
暁代の口にはリングの付いた口枷が嵌められていて、
その顔は苦しそうだった。
リードに繋がれた首には、赤い奴隷用の首輪が付けられている。
麻縄で後手縛りと言い、両腕を背中側で組みその腕を束ねるように縛られ、
背中の中央から、上腕と胸元に縄をかけられていた。
さらに暁代の大きな乳房を強調するように、胸にもきつく二本の縄が走っている。
その姿で、勇夫に犬のように首輪についたリードを引かれ、
よろめきながら歩く暁代に客達は興奮していた。
「いよーっ!、待ってました、かおるちゃん!」
暁代のストリップ劇場での芸名は「春日かおる」と言っていた。
勇夫にリードで引かれながら、暁代は舞台の真ん中にやってきた。
暁代の身体からは、何やら小刻みな音が聞こえてくる。
「おい、何だろうこの音は?」
「いやいや、かおるのまんこに刺さっているバイブの音だよ」
「本当だ、どうりで、かおるが逝きそうなのを我慢してるんだね」
そこでは、客達の卑猥な言葉が飛び交っていた。