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恥ずかしの高校ミスコン
【学園物 官能小説】

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乙女祭-1

「おおーっ!」「ほんとにあの恰好だ!」
 次々と入室してくる男子は瞠目し、その口々から歓声があがった。入った矢先に目に飛び込んできたものが女の子たちの下着姿とあっては、当然だ。それも、文化祭の全校投票で選りすぐられた美少女5人と、豪華すぎる顔ぶれなのだからたまらない。

 入ってきた生徒は全部で9人。そのなかに女子は1人もいない。彼らは廊下側に並べられたパイプ机の前に横並びし、ファイナリスト5人と向かい合った。

 下着姿を目の当たりにする男たちがこんなにも大勢になって、美景は慄然となった。他の参加者たちも同様の様子だ。生徒会の2人など男とも思わないとさっき嘯いた奈津江も、あくまで強気な姿勢を崩さずにいようとはしているものの、多少なりとも動揺の色は隠せなかった。

 昭代は少年たちに開いた掌を向け、彼らのことを紹介する。
「こちらのみなさんは、ミスコン本選会の下着審査のために、特別に集まってもらった男子生徒諸君です」

 案内には「限定公開」と書かれていたが、今まで会場であるこの部屋には出場者と主催関係者以外は誰もいなかった。それがこういう意味だったとは。美景も今さらのように気づいた。
 うち誰かが口にした「ほんとにあの恰好だ」という台詞からして、最初から下着審査という内容も知らされていたのだろう。ミス学園候補という美人の女の子たちの下着姿が見られる。そんな美味しすぎる話を聞いて、乗ってこない思春期の男子などそうはいるものではない。
 生徒会長・副会長の2人も席を離れて、後ろの列に加わった。合わせて「生徒審査員」は11人になった。

 美景はその男子たちを一瞥してみた。科学部仲間の男子部員以外に異性との交流が乏しい彼女にとっては、誰が誰かわからない男の子たちが大半だ。今の2年D組のクラスメートはいないのがまだしも幸いに思える。他学年だとほとんどわからない。

(え、柏井くん?)
 だが列の向かって一番右、ドア寄りのところに、科学部で一緒の柏井文之が顔を連ねているのを見て動揺する。
 柏井とはいつも部活では科学の話題を楽しく語っていて、文化祭で共同研究の成果を発表したこともあり、男子部員のなかでは最も親しい。成り行きで他の参加者が集まらなかっただけだが、2人で科学博物館の特別展に行ったこともある。彼は10月からは新科学部長に就くことも決定していて、美景は副部長として、一緒に科学部を盛り上げていくつもりだった。
 そんな彼が「生徒審査員」の一人として、この恰好を目の当たりにしている。面識も無い男子に見られるより、さらに恥ずかしく思えた。

「冗談じゃないです! あんな大勢の男の子たちに見られるなんて、ありえません!」
 そうして美景は左手で胸を、右手で股間を隠すようにしながら、昭代に抗議する。さすがにこれは他の出場者たちも同感の様子だ。

 だが昭代は、まるで取り合おうともしない。そうして冷たく言い放つ。
「ここまで来たら、あなたたちにはこちらの指示に従うしかないのよ」
 確かにこの期に及んでは、もはや逃れようがない。本当かどうかはまだ疑わしいが、退学を盾に取られているうえ、そもそも今の下着姿のままでは外に逃げ出すことすらできない。脱いだ制服を入れた脱衣籠はいつの間にか回収され、審査員たちに預かられて手の届かないところにある。あれを返してもらえない限り、ここを出ることもままならない。事態はますます悪い方向に向かっていることを今さらながら認識させられる。

「言っておきますが、これから指示に従わないことは不当な棄権行為と同様に扱い、処分の対象になります。そういうつもりでいてください」
 酷い通告だった。だが、もうどうしようもないのか。いよいよ恥じらいに震える少女たちを見て、昭代は念を押すように加える。

「まあ、今日のことは他の誰にも漏らさないように、あの子たちもしっかり誓約してるから。いいわね、男子諸君!」
「はーい!」
 まるで小学生のように、元気な声で男子生徒たちは口を揃えて返事した。

 美景たち出場者には知らされていないが、仮に今日のことが部外者に漏れたら彼ら全員の連帯責任になり、退学処分を受ける。彼らはそういう誓約の上で参加している。もちろん撮影などは厳禁だ。

 そこまでは知らなくても、口外しないという誓約が本当なら、いま男子たちにこの恰好を見られても、ここだけの話にとどめておけるかもしれない。この場限りの恥ずかしさで済むかもしれない。希望的観測かもしれないが、美景もそう割り切るしかなかった。

「それでは生徒審査員のみなさん、彼女たちの魅力を、しっかりと見比べてください」
 途端に思春期男子たちのあふれんばかりの性的興味に満ちた視線が、5人の乙女の下着だけに守られた肢体に降り注いだ。
 高校生にもなればネットや雑誌その他、何らかの方法で女性のヌード画像や動画を見たことのある男の子も多いだろう。そんな彼らでも、こうやって生で女の子たちの下着姿が見られるのはたまらない刺激だ。それもみんな美少女で、見事なまでにタイプもそれぞれ異なるから、なおさら眼福というほかない。

 この5人の中で推しはもう完全に固定していて、1人のからだだけに視線を集中する者。視線を彷徨わせて、誰がいちばん魅力的かを決めかねている者。うち2人だけに注目して、繰り返し目移りさせている者。男子たちの挙動も、さまざまだ。

 ただ誰一人例外が無いのは、当たり前のことだが、彼らの股間のモノはすでにズボンを突き破らんばかりに、パンパンに張り詰めているということだ。その様子がふと目に飛び込んでくるだけでも、美景にはおぞましく感じられて目を背けた。


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