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恥ずかしの高校ミスコン
【学園物 官能小説】

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理不尽-3

「わかった? わかったらこちらの言う通りになさい。早く脱ぐ」
 それを嘲るかのように、昭代はいよいよ強い調子で脱衣を促してくる。

 それに対して、いち早く制服に手をかけたのは奈津江だった。
「大渡さん、正気なの?」
 本当に脱ごうとしている奈津江に驚愕し、美景は尋ねる。

「ふん、あたしは絶対にミス和天高校になるのよ。だいたいあんな生徒会の面々、あたしは男とも思ってないんだから」
 奈津江はそう言って、先陣を切るようにリボンを取り、ブラウスのボタンを外し始めた。それを見て、奈津江には負けたくないとばかり、梨佳も決然と同じように脱衣を始める。

「こんなの絶対おかしいよ! 2人とも、やめて!」
 美景は悲痛な調子で2人を制止しようとした。だが2人がやめるどころか、早織も、琴音も、それに続いて衣服を脱いでいく。もう仕方がないと屈したのか、彼女らもそこまでしてミス学園の栄誉か、あるいは学費免除を勝ち取りたいのか。。

 それを目の当たりにしても、美景はまだ服を脱ぐ気にはなれなかった。恥ずかしいだけではない。こんな理不尽にあふれたコンテストのやり方に屈服すること自体が、受け入れがたかったのだ。
 だが、残りの4人はもうほとんど脱衣を終えている。最後に残った琴音もスカートをおろし、完全に下着だけの姿になった。

 これ以上ぐずぐずしても、何にもならない。
 このうえは、もう優勝して、学費免除を勝ち取るしかないのかしら……。

 美景はついに観念した。恥ずかしい姿を晒すのを少しでも先延ばしにしようと、まず紺色のソックスをゆっくり脱いだ。だが右も左も裸足になると、もう後がない。
 彼女は震える手でブルーのリボンを外し、ブラウス、スカートの順に取って、足元の脱衣籠に入れた。

 こうしてブラジャーとパンティだけの姿になった美景は、その恥ずかしさと緊張で膝までがくがくさせながら、出場者たちの並びに加わった。ビキニを着たこともない彼女は、むき出しのお臍の辺りに、どうしようもない心細さを感じた。男もいるこの場で、なおさら身も竦む。

 男である生徒会の2人は、彼女らを見やりつつも表向き表情は崩していない。だが内心どんな思いで眺めているのかは、美景もどうしても気にならざるをえなかった。
 
 こうして学園きっての美人女子高生が5人、下着姿でずらりと横に並んだ。和天高校に下着の色指定などというブラックな校則はもちろん無いから、それぞれ色とりどりの下着を着けている。まさに乙女の競演と呼ぶに相応しい光景だ。

 向かっていちばん右の梨佳は、いかにも可愛らしいピンクの下着だ。上下ともに赤リボンがアクセントとして、愛くるしさを増している。その隣の奈津江は、複雑な装飾の施された濃い紫のランジェリー。制服を脱いでそんな下着だけの姿になると、はちきれるようなボディの豊かさも相まって、もう女子高生とは思えないような妖艶さが感じられる。もちろん下着審査をやるなどと事前に告知されてはいないが、それを予想してわざわざ着けてきた勝負下着だろうか。それともおしゃれな奈津江のこと、普段から下着にもこれだけ凝っているということか。

 琴音は淡い水色のブラとショーツ。清楚で上品な彼女のイメージによく合っている。早織は上下ともクリーム色のものを着けていて、やや幼い印象を与えつつも、彼女の可愛らしい雰囲気を引き立たせていた。

 そんななか、美景の純白の下着は5人の中で明らかに最もシンプルなものだ。上下とも白のリボンがあしらわれてはいるものの、それ以上は何も装飾性がない。
 おしゃれに興味が薄い彼女は、まして下着に凝ろうなどとは考えたこともない。ブラジャーを着けるようになった中1の頃からも、また高校生になっても、ずっと母親の買い与える白の下着しか着けないできた。母の仕事が忙しくなってからは自分で買いに行くようになったが(いくら失職中でも父親に買わせるわけにはいかない)、それでもこだわる意味を感じず、白以外求めていない。

 体育の着替えの時にも他の女の子たちがどんな下着を着けているかなど気にして見たことも美景はなかったから、ここで色とりどりの下着を着けた面々を目にして、今さらのように驚いている。

 昭代は視線を流すようにして彼女らの下着姿を通覧した。一人ひとりの下着は各自のイメージによくお似合いだった。そして下着に覆われた部分以外余さず露わになった乙女たちのみずみずしい肌は、みな照明の光をつややかに反射してめいっぱい若さを主張していた。

 それに満足げに頷くと、昭代は揚々とアナウンスする。

「じゃあ全員脱ぎ終わりましたので、いよいよ審査に入ります。ここで生徒審査員のみなさんに、入場してもらいましょう」

 生徒審査員? 何なの、それ……。
 いったい何が始まるのか、美景はいよいよ不安に駆られる。他の出場者たちを見回すと、やはり気になっている表情だ。

 そんななか、昭代は部屋の後ろのドアを開け、外に向かって呼びかけた。
「みんな、準備ができたから、入っていらっしゃーい!」

 それを聞いて、ぞろぞろと大勢の男子生徒が入ってきた。


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