the blue sky-4
「雄二ぃぃぃぃぃ!!!!!!」
雲一つない青空にある太陽が、さんさんと雄二の死体を照らしていた。
この後雄二は、二度と目を開けなかった。死に際の顔は…。とても幸せそうな顔。見ているこっちは涙を抑えられなかった。
私と雄二が付き合った期間は約一分。一秒目で始まり、60秒目で終わりを迎えた。デートや食事は出来なかったが、お互い愛してることを知り合った大事な60秒だった。
「雄二ぃ…ッ…戻って来てよぉ…。」
彼の墓標の前で寂しく呟く。
彼は二度と帰ってこない。そんなの分かってる。
『体、大事にしろよ。』
途端に後ろから声が掛かる。
「雄二!?」
ばっ…と後ろを振り返ると、そこにはただの墓標。
だが私は、誰もいないはずの空間に喋りかけた。
「久しぶり雄二。この体は二人のだもんね。雄二の分まで頑張って生きるよ。雄二も元気でね。」
言い終わると、体中をふわっと包み込まれるようなものを感じた。
雄二に抱かれているようなものを感じて、私も抱きしめ返した。
この空間は二人だけの空間。
誰も邪魔は出来ないし、誰も壊したりは出来ない、
目を閉じると、そこには雄二が見える。優しい笑顔をみせ、微笑んでいた。
「じゃあね、雄二。また来年。」
『待ってるからな。』
そして私は帰路に着く。
涙を拭って空を見上げた。
心地良く晴れ渡った雲一つない青空。
彼との思いでが詰まった青空。
青空の中心にはさんさんと輝く太陽。
今日も私達を照らし続ける。
彼を、私を、全てを。
fin.