投稿小説が全て無料で読める書けるPiPi's World

the blue sky
【純愛 恋愛小説】

the blue skyの最初へ the blue sky 2 the blue sky 4 the blue skyの最後へ

the blue sky-3

「雄二!!お願い逃げて!!」


「大丈夫…ッッ…。」


私の目の前に居る彼の背中からは、銀色と赤に染まるとがった物が突き出していた。
彼の白いTシャツはみるみる赤に染まり、アスファルトには赤い水溜まりが出来る。



「あ…あ…いやぁぁぁぁぁ!!!」


私が叫んだせいで、通り魔は舌打ちをして逃げて行った。


「ゆ…、雄二!!大丈夫!?今救急車呼ぶから耐えて!!」


「三ヶ月の命……。最後の最後に良い使い方が出来て良かった……。」


「良い使い方な訳ないでしょう!?なんで私の為に…大事な、貴重な三ヶ月を…。」


「じゃあ……最後に…お願い、聞いてくれる?」


彼は息すらままならない状況になっていた。肺の辺りにナイフが突き刺さっている。


「何?なんでも聞いてあげるからっ…。命だってっ、あげられるなら…あげる…。」


涙と鳴咽で上手く言葉にならない。


「ずっと好きでした…。俺、と、付き合って……、くださ、い……。」


私がなによりも望んでいた言葉。


「私も大好きだから…付き合うから…生きて…、生きて雄二!!」


「そう…ありがと里菜…、愛してる…。最期に、一番愛してる人のそばで死ねる…。」


「私も愛してる。だから死なないでよ…。」


「………。」


「雄二…?」


雄二が、返事をしない。慌てて雄二の口に耳を当てると、そこから出る空気はない。


the blue skyの最初へ the blue sky 2 the blue sky 4 the blue skyの最後へ

名前変換フォーム

変換前の名前変換後の名前