両想い?-1
(確か恭子ちゃんが俺の事好きだって話しが伝わって来たのって、小原に俺が恭子ちゃんの事が好きだって言ってからだったよなー。)
1年の時、恭子とはクラスメイトだった。恭子の友達に小原弥生と木下茜と言う少女がおり、3年の時には恭子とは別のクラスになった修だが、弥生と茜とは同じクラスだった。そんな弥生と茜と、誰が好きか言いあった時に、修は恭子が好きだと言って以来、弥生らが恭子と遊びに行った時の写真などをくれるようになり、冷やかしたりしてきて、嬉し恥ずかし的な思いをした記憶がある。
「もしかしてそれで俺を意識してくれて好きになったのかな…」
それまで恭子から自分を好きだと言う雰囲気も素振りも全くなかった。だが弥生らに言った頃から、廊下ですれ違う時に少し様子がおかしかったような気がしてきた。
「取り敢えず、早く弥生に俺が恭子ちゃんの事を好きだって事を伝えなきゃ!」
今は6月。夏休み中には恭子とセックスしておきたい。修は強引に弥生と茜に恋バナをする事にした。
「なぁ弥生、オマエ、誰が好きなの?」
「えー?何よ、いきなりー。」
「オマエ、有紀が好きだろ??」
「えっ…?ち、違うよ…?」
「ププッ、分かり易っっ!!」
「ち、ちょっとー!誰にも言わないでよー!?」
「勿論♪茜は?」
「私は1年の隅田くんかな。可愛いんだもん♪」
「茜は年下が好きなんだ。」
「まーね!そう言う高梨くんは誰が好きなのよー??」
「お、俺??」
「そーだよ。自分だけ言わないのズルいでしょ!当ててあげようか?2組の深山亜希子ちゃんじゃない?」
「はー!?何でそうなんだよ!?」
「あーゆーエッチっぽい子好きそうじゃん。」
「違うわ。それにアイツ、1年の時から3年の先輩と付き合ってんだろ。無理無理。」
「それもそうかぁ。じゃ、誰なのよ。」
弥生と茜がじっと見つめる。
「俺は…あの…今井が好きなんだよなぁ…。1年の時からずっと…」
弥生と茜は驚く。
「恭子ちゃん!?えー!?ホント!?」
「う、うん…」
素で照れてしまった。
「何か、意外だね。」
「そんな素振り、全然なかったじゃん。」
「うーん、でも好きなんだよ…」
頭をかく修に2人はニヤッとする。
「そっかー、高梨くん、恭子ちゃんの事好きなんだー♪」
「い、言わないでくれよ!?間違っても本人には!」
そう言いながら、早く言ってくれよな♪、と期待を込める。
「言わないよ、ねぇ?」
「うん、言わなーい♪」
小悪魔スマイルは絶対に言う事を物語っていた。
(よし、種は蒔いた!早く花開け!!)
修は2人の小悪魔ぶりに期待するのであった。