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ご主人様は中学生。
【その他 官能小説】

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ご主人様は中学生。-2

「あ。」
そうそう、携帯の向こうのみんなに今までのあらましを話してる場合じゃなかったんだわ。
「麻婆茄子温め直さないと…」
いくら生意気クソ坊ちゃんでも、静枝(母)の顔に泥を塗るわけにはいかんので仕事します。
手際の良さなら負けないから。
「よし。お、タイミング良し。」
全てセッティングした所で眉間にシワよせた坊ちゃん登場。当然制服ではなく私服で。今の中学生はお洒落になったね。坊ちゃんってば身長高いから中学生に見えないよ。ってまじまじ見てたら「キモイから見んな。」って言われた。だから餓鬼は嫌だ。
「坊ちゃんは辛いの平気だった?」
「…。」
シカトかよ!!
「…鷹也さんは辛いの大丈夫ですか?」
「あぁ。」
「そう、よかった。」
そろそろからかって坊ちゃんって言うの止めよう。シカトされるって精神的につらいわ。
「余りは冷蔵庫の中ね。あと、朝ご飯のサラダも入れてあるから。」
黙々と食べてるけど聞いてんのか?
「食べ終わったら冷やしておいてね。明日洗うからさ。」
夕飯を作った所で私の仕事終了。本当は洗い物までだけど、待ってたら遅くなるし。
終了のゴングが鳴ったので(自分の中で)、エプロンを外す。
「んじゃ、あたし帰るわ。」
「…あぁ。」
「戸締まりしっかりね。」
「わかってるよ。お前こそ…気をつけて帰れよ。」
「ん?あたしは問題なし。愛車ぶっ飛ばして帰るから。」
ちなみにあたしの愛車はママチャリ。
「…。」
愛車について突っ込むと思ったのに、超不審な目を向けてきた。しかもまた無言で。
「…し-ゆ-。」
沈黙にいたたまれなくなってすぐさま退散しました。我ながらナイス判断力。

―ガチャン
「…やっと出れた…」
どんだけ広いんだ、この家は!!一色家の敷地出んのに約5分って!!
「本当…広ッ…」
外から見ても十分でかいし、中に入ったらいくらでも部屋はあるし…。
「1人で寂しくないのかなぁ…」
いくら男の子で生意気な野郎でも、この屋敷の中に1人は寂しいだろう。一人っ子だし。
「…一緒にご飯食べてあげれば…いや、早く帰れって言われる…絶対」
「お前…何やってんだよ。」
「ぎゃ!!坊ちゃんか!!びっくりした〜!!」
「独り言の割に声でけ-よ。」
「んまッ!!失礼ね!!」
確かに人様の家の前で独り言らしからぬ声で喋ってたけど、純粋な乙女にフォローもなくズバズバ言う?!
「…ほらよ。」
「へ?んあ!!」
「忘れてた。」
ポンッと投げられた物は…
「携帯ちゃ-ん!!どこにあったの?」
「ソファーのとこ。」
あぁ…きっと眠くなって横になった時だわ。…あえて言わないけど。
「そっか、ありがと。気付かなかったよ。」
「…フン」
フン…?って久しぶりに聞いたよ。あたし。
「じゃ…」
ここにいても仕方ないし、帰ろうとペダルに足をあけた。
「あ…」
「ん?」
何か言いたい事があるのかないのか…
「何さ。」
「…。」
「な-に-?」
「明日…」
「明日?」
「明日、カレーがいい。」
「カレー?うん、わかった。」
「で!!」
「で…?」
「お前も飯食ってけ。じゃ-な。」
と、吐き捨て、坊ちゃんは家の中へ走って行った。
「…へぇ。」
照れてたな、あれ。
「ははッ」
そっか〜、やっぱり1人で寂しくないわけないよなぁ。
「仕方ないッ。可愛いお坊ちゃんのために、佐里ちゃんスペシャルカレーを作るか。」
何だか…初めて坊ちゃんを可愛いと思った。
気分が良くて、帰りの愛車のペダルは何だか軽かった。
「ふんふふ-ん♪」


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